ウッドデッキの材料拾い出し計算
デッキの大きさと使う材の寸法を入れると、床板の必要本数・根太の本数と総長さ・束柱の本数・ビスのおおよその本数が、その場で出ます。ロス率を見込んだ「発注してよい数量」まで換算します。
この計算は何をしているのか
床板の列数
床板は隙間(目地)を空けて並べます。n列並べると、板がn枚・隙間がn−1本ぶん入るので、必要な列数は次の式で決まります。
例えば奥行2000mm、床板の幅105mm、隙間5mmなら (2000+5)÷(105+5)=18.2… で19列。実際に並べると 105×19 + 5×18 = 2085mm になり、指定した奥行をわずかに超えます。端の1列を細く挽き割るか、デッキ全体の奥行を実寸に合わせるかを決めておいてください。「並べたときの奥行」の欄がその実寸です。
床板の本数
1列に必要な長さはデッキの幅です。定尺1本から何列取れるかを見て、必要本数を出します。
ここにロス率を掛けて切り上げたものが発注本数です。切り代(のこ刃の厚み)、木口の割れ、節を避けて使えない部分、加工ミスの予備を吸収するための余裕で、天然木では10%前後を見ておくと足りなくなりにくくなります。
根太と束柱
根太は床板と直交する向きに、指定した間隔で入ります。両端にも入るので本数は「間隔の数+1」です。
束柱は、幅方向と奥行方向の両方に同じ間隔で並べる格子配置として数えています。
ビスの本数
床板と根太が交差する点すべてで留めるので、交点の数に1箇所あたりの本数を掛けます。
床板の固定ぶんだけの概算です。根太を大引や束柱に留めるぶん、フェンスや幕板のぶんは含みません。ビスは箱売り(数百本単位)なので、この本数を上回る箱数で買ってください。屋外なのでステンレス製を選ばないと、数年で頭が錆びて外せなくなります。
床板の継ぎ目で増えるビスや、何本入りの箱をいくつ買うかまで詰めたいときは、ウッドデッキのビスは何本必要かで計算できます。
隙間(目地)を空ける理由
床板をぴったり突きつけて張ってはいけません。理由は2つあります。
- 雨仕舞い — 隙間がないと雨水が板の上に溜まり、抜けません。水が乗り続けた面から腐りが進みます。ゴミや落ち葉も、隙間があれば下に落ちて掃除できます。
- 木の伸縮 — 天然木は湿気を吸うと幅方向に膨らみます。隙間ゼロで張ると、膨らんだときに互いを押し合って反り上がったり、ビス穴が割れたりします。
逆に隙間が大きすぎると、物や指が落ちる・見た目が粗くなるという別の問題が出ます。天然木は乾いた材ほど後で膨らむため、含水率の高い材を張るときは隙間を小さめに、乾燥材なら大きめに取るのが基本の考え方です。
根太の間隔が広すぎるとどうなるか
床板は根太と根太のあいだで橋渡しになっています。この支点の距離が長いほど、人が乗ったときに真ん中がたわみます。たわみは支点間距離の3乗前後で効くので、間隔を1.5倍にしただけで、たわみは3倍以上になります。「歩くとフカフカする」デッキはたいていここが原因です。
本ツールでは、材質ごとの一般的な目安と比べて判定を出しています。あくまで目安であり、製品ごとに推奨の根太間隔(スパン)が指定されています。必ず購入する製品の仕様を確認してください。
| 材質 | 根太間隔の一般的な目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 天然木・ソフトウッド | 450mm前後まで | 軽くて加工しやすいが、たわみやすい。厚みが薄いほど詰める |
| 天然木・ハードウッド | 500mm前後まで | 密度が高く強い。薄い板でもスパンを取りやすい |
| 人工木・樹脂木 | 350mm前後まで | 天然木より狭くする。樹脂は熱でも柔らかくなり、夏場にたわみが出やすい |
人工木で間隔を詰める必要がある理由
人工木(木粉と樹脂の複合材)は、見た目や寸法が天然木と似ていても曲げに対する挙動が違います。とくに中空タイプは断面がスカスカなので同じ厚みの無垢材より弱く、さらに真夏の直射日光で表面温度が上がると樹脂がわずかに軟化してたわみが増えます。天然木の感覚で450mm飛ばすと、夏に波打つことがあります。人工木を使うなら根太を1〜2段多く入れる前提で材料を拾ってください。
束柱の間隔
束柱は根太(または大引)を下から支える柱です。間隔が広いと根太自体がたわみ、デッキ全体が沈む感覚になります。900mm前後の格子で入れるのが一般的で、人が集中して乗る場所(出入口、階段の下、テーブルを置く位置)は間隔を詰めます。
束柱の下には束石を置くのが通例なので、束石の必要個数は束柱の本数と同じと考えて拾ってください。ここは意外と数が出て、重量物なので配送費にも効きます。
自分で組むか、業者に頼むか
材料が拾えても、それで完成までの道筋が見えるわけではありません。ウッドデッキで仕上がりを分けるのは、床板を張る作業ではなく、その前の工程です。判断材料になりそうな点を並べておきます。
基礎の水平出しが、全体を決めます
床板を張る作業自体は、単純な繰り返しです。難しいのはその下の水平を出すこと。束石と束柱で作る面が水平でないと、根太が傾き、床板が傾き、最後には手すりや幕板の取り合いまでずれていきます。しかも歪みは張り進めるほど累積するので、途中で気づいたときには基礎から戻ることになります。水平は目視では出せません。水糸を張る、レーザーや水盛りを使うなど、面全体で基準を作る手順が要ります。デッキが大きくなるほど、この基準出しの難度は上がります。
束石の据え付けと、地盤
束石はただ置けばいいものではありません。置いた場所の地面が後から沈めば、デッキはそこから傾きます。表土のやわらかい層を取り除いて、締め固めた面や砕石の上に据えるのが基本です。庭土は見た目より深くやわらかいことがあり、埋め戻したばかりの場所や、雨水が集まる場所は特に沈みやすくなります。沈下は数か月から数年かけて出るので、完成直後の水平だけでは判断できないところが厄介です。
建物との取り合い
家に接して作る場合、単体で組むより難しくなります。
- 掃き出し窓との高さ合わせ — 床面をサッシの下端に合わせるのか、一段下げるのか。合わせるなら床板の厚み・根太せい・束柱の長さを逆算して基礎の高さを決めることになり、順番が逆になります。
- 雨仕舞い — 建物の外壁にぴったり付けると、雨水や汚れが逃げ場を失って壁際にたまります。水切りの位置や、外壁との間に隙間を取るかどうかは、建物側の作りを見て決める話です。
- 点検口・排水・エアコンの室外機 — 床下点検口や配管の上を塞ぐと、あとで開けられなくなります。設計の段階で避けておく必要があります。
逆に、自分で組んだほうが早いケース
- 小さいステージ型 — 1〜2畳程度で、建物から離して独立させるもの。取り合いの検討が要らず、水平を出す範囲も狭くなります。
- 置くだけのタイプ — 地面に敷いたコンクリート平板や、既存のテラスの上に組むもの。基礎工事そのものがなくなります。
- 地面がすでに平らで固い — 土間コンクリートの上に組めるなら、沈下の心配も水平出しの手間も大きく減ります。
- 作り直す前提で始める — 数年使って傷んだら組み直す、という考え方なら、最初の1台は練習になります。
基礎から作る規模になりそうなら、見積もりを取ってみると判断材料が増えます。複数の業者に出してもらうと、基礎の作り方や工事の範囲の切り方が業者ごとに違うことが見えてきます。1社だけでは、その内容が自分の敷地に合っているのかを比べようがありません。頼むと決めていなくても、自分の土地で何が必要とされるのかを知る手段になります。