人工芝は何ロール必要か
敷きたい場所の寸法を入れると、必要面積[㎡]と必要なロール数[本]がその場で出ます。端材が何㎡出るか、そして敷く向きを変えるとロール数がどう変わるかまで表示します。
この計算は何をしているのか
人工芝はカーペットと同じで、決まった幅の「ロール」でしか売っていません。だから面積が分かっても、そのままでは買えません。幅で割って、長さで詰め合わせて、初めて「何本」になります。このツールがやっているのはその変換です。
手順は3つだけ
幅3.2mの場所に幅1mのロールを敷くなら、3列では20cm足りないので4列です。切り上げるので、ここで必ず余りが出ます。
1列ぶんの帯を何m切り出すかです。ロス率のぶんだけ長めに取ります。
長さ10mのロールから、2.75mの帯は3本取れます(10 ÷ 2.75 = 3.6 → 3本)。余りの1.75mは他の列には足りないので端材です。このツールは、長さの違う帯が混ざる場合(複数エリア)も、長い帯から順に詰めていって本数を求めています。
端材には「幅方向の切り落とし」「長さ方向の余り」「ロス率で見た余裕」がすべて含まれます。無駄率が40%を超えるようなら、ロールの規格を変えると劇的に減ることがあります。幅1mと幅2mを切り替えて比べてみてください。
ロス率は何%見ればいいのか
ロス率は「サボりの余裕」ではありません。人工芝には、必ず捨てる部分と重ねる部分があります。
- 切り代 — 端は壁や花壇の縁に合わせてカットします。カッターを入れるとき、ぴったりに切ると縮んで隙間ができるので、少し大きめに切って現物合わせで詰めます。
- 重ね代 — 継ぎ目は、隣り合う2枚を数cm重ねてから同時に切る(相欠き)と目立ちません。この重ねる分は必ず捨てます。
- 柄・毛の向きを揃えるための犠牲 — 後述しますが、毛の向きを揃えると「上下逆にすれば余りで足りる」使い方ができません。ここが一番ロスを生みます。
- 採寸の誤差 — 既存の庭は直角が出ていません。図面通りの寸法で切ると入りません。
目安として、四角い場所を素直に敷くなら5〜10%、花壇や物置をよけるなど切り欠きが多いなら15〜20%を入れておくと安全側になります。初期値は10%にしてあります。
毛の向きを揃えないと、色ムラになる
ここが人工芝の一番の落とし穴です。人工芝の毛は、まっすぐ立っているのではなく、ロールの長さ方向に少し寝ています。この寝ている向きを「毛足の向き」「目」と呼びます。
毛が寝ている側から見ると光が反射して明るく、逆から見ると影になって濃く見えます。同じロールから切り出した芝でも、1枚だけ上下を逆にして並べると、そこだけ色が変わって見えます。張ったあとに気づいても直せません。剥がして敷き直しです。
なお、どちら向きに毛を寝かせるかは仕上がりの好みで決めます。一般にはよく見る位置(リビングの掃き出し窓、玄関など)から見て、毛が手前に倒れてくる向きにすると、濃く深い緑に見えます。上の比較表で「ロール数は少ないが向きが好みと違う」場合は、ロール1本ぶんのコストと見た目を天秤にかけてください。
タテ張りとヨコ張りで、なぜ本数が変わるのか
面積は同じでも、幅で割ったときの切り上げが変わるからです。
たとえば幅5m × 奥行4m(20㎡)の庭に、幅1m×長さ10mのロールを敷く場合。
| 敷き方 | 列数 | 1列の長さ | 1本から取れる数 | 必要本数 |
|---|---|---|---|---|
| タテ張り(奥行き方向) | 5m ÷ 1m = 5列 | 4m | 10 ÷ 4 → 2本 | 3本 |
| ヨコ張り(幅方向) | 4m ÷ 1m = 4列 | 5m | 10 ÷ 5 → 2本 | 2本 |
ロール1本ぶん、まるごと違います。人工芝の1本は数千円から数万円ですから、向きを変えるだけで金額が変わるということです。ロールの長さで割り切れる辺を「1列の長さ」に持ってくると、端材が減ります。
人工芝だけでは庭は完成しない
計算に含まれていない、別で買う必要があるものを挙げておきます。ここを忘れると、施工当日に手が止まります。
- 防草シート — 人工芝の水抜き穴からは雑草が伸びてきます。土の上に直接敷くなら、下に防草シートがほぼ必須です。必要面積は人工芝とほぼ同じか少し広め。→ 防草シートは何m必要か(固定ピンの本数まで)
- 下地の砕石・砂 — 地面が波打っていると、人工芝の上を歩いたときにそのままボコボコします。転圧して平らにする工程が本体です。→ 砂利・砕石は何袋必要か
- 継ぎ目用のジョイントテープ — 継ぎ目は接着または両面テープで留めます。上の計算結果に「継ぎ目の合計長さ」を出しているので、その長さ以上のテープを用意してください。ロールの列が多いほど継ぎ目は増えます。
- 固定ピン(U字ピン・釘) — 外周と継ぎ目に打って押さえます。本数は下地の硬さや風の当たり方で変わるので、多めに見ておくと安心です。ピンが足りないと、端が浮いて風でめくれます。
- カッターの替刃 — 人工芝の裏地は思った以上に刃を鈍らせます。1枚では足りません。
よくあるつまずき
「面積で買ったら足りなかった」
28.5㎡必要だからと30㎡ぶん買っても、幅が合わなければ足りません。面積ではなく、幅と長さで考えてください。このツールが列数まで出しているのはそのためです。
「後から1本買い足したら、色が違った」
人工芝は製造ロットによって色味が変わります。あとから買い足した1本だけ色が浮くことは珍しくありません。足りない可能性があるなら、最初にまとめて買う。ロス率を厚めに見る理由の半分はこれです。
「端材が大量に出た」
ロールの規格を変えてみてください。幅1mと幅2mでは、同じ場所でも無駄率がまるで違うことがあります。上の入力欄で切り替えれば、その場で比較できます。
自分で敷くか、業者に頼むか
ここまでは「何本買えばいいか」の話でした。ただ、人工芝で仕上がりを分けるのは、計算では出てこない部分です。判断材料になりそうな点を、正直に並べておきます。
敷く作業より、下地づくりのほうが本体です
人工芝そのものを広げて切って留める作業は、慣れなくても手順どおりに進められます。時間も手間もかかるのはその下です。地面の不陸(凹凸)をならし、転圧して締め固め、防草シートを張る。この工程の精度が、そのまま歩いたときの感触と見た目に出ます。下地が波打っていれば、人工芝を敷いても波打ったままです。上から見て平らかどうかは意外と分かりにくく、寝転がったときや夕方の斜めの光で初めて気づく、ということが起こります。
排水の勾配は、素人には判断しづらい
人工芝には水抜き穴がありますが、水は下地の勾配に沿って抜けていきます。水がたまる場所ができると、人工芝の下が湿ったままになり、藻が出たり匂いが出たりすることがあります。厄介なのは、既存の地面に勾配がついているかどうかを、目視で判断するのが難しい点です。何mにつき何cm下がっているか、という単位の話なので、水平器や糸を張って確認する作業が要ります。雨の日に庭を見て水がどこへ流れるか観察しておくと手がかりになります。
面積が広くなるほど、難しさが増えます
狭い場所なら1枚で足りますが、広くなると継ぎ目が増えます。継ぎ目は直線が出ていないと目立ちますし、上で書いたとおり毛足の向きを全部そろえる必要もあります。ロールが長く重くなるほど1人では取り回せず、位置決めをやり直すのも大仕事になります。面積は材料の量だけでなく、作業の難易度そのものを押し上げます。
逆に、自分でやったほうが早いケース
- 面積が狭い — 継ぎ目が出ない、もしくは1本で済む程度なら、下地の手間も限られます。
- 平坦なコンクリートの上に敷く — 不陸調整も転圧も防草シートも要りません。採寸して切って留めるだけになり、難所がほぼ消えます。
- ベランダ・バルコニー — 下地が最初から平らで、勾配も排水口も設計済みです。ジョイントタイプを並べるだけでも成立します。
- やり直しがきく場所 — 気に入らなければ剥がせる、という前提で始められるなら、練習として悪くありません。
下地からやる規模になりそうなら、見積もりを取ってみると、判断の材料が増えます。複数の業者に出してもらうと、工事の範囲の切り方や工法が業者ごとに違うことが見えてきます。1社だけでは、その内容が自分の庭に合っているのかを比べようがありません。「頼む前提」でなくても、下地に何が必要とされているかを知る手段になります。