人工芝の下地づくり 材料一式

人工芝を敷くとき、買うものは人工芝だけではありません。むしろ手間の大半は、人工芝を広げる前の「下地」に使います。このページでは、工程の順番どおりに「何を、どれだけ買うか」を整理し、それぞれの数量を出す計算ツールに繋げています。買い物リストを1回で組み立てるためのページです。

① 不陸調整(掘る・ならす)② 転圧(締め固める)③ 防草シート④ 人工芝⑤ 固定・仕上げ

なぜ下地で仕上がりが決まるのか

人工芝は、厚みのあるカーペットのようなものです。柔らかくて、下の形をそのまま拾います。下の地面が波打っていれば、その上に敷いた人工芝も波打ちます。石が1つ残っていれば、その位置がぽこりと盛り上がって見えます。人工芝そのものの品質でこれを吸収することはできません。

やっかいなのは、敷き終わってからでないと気づきにくいことです。土の状態で上から眺めているぶんには、多少の凹凸は目に入りません。ところが緑一色の面になったとたん、光の当たり方で凹凸がはっきり見えるようになります。夕方の斜めの光や、寝転がったときの視線で初めて分かる、ということが起こります。直すには剥がして下地からやり直すことになるので、順番として、下地に時間を使うほうが合理的です。

もう1つ、水の問題があります。人工芝には水抜き穴が空いていますが、抜けた水がどこへ行くかは下地次第です。水がたまる窪みが下地に残っていると、人工芝の下が乾かない状態が続き、藻や匂いの原因になることがあります。下地は「平ら」であると同時に、「水が抜ける向きに傾いている」必要があります。この2つを両立させる工程が、これから並べる①と②です。

コンクリートの上に敷くなら、下地の工程はほぼ不要です 土間コンクリート、ベランダ、タイルテラスなど、すでに平らで勾配も排水口も設計されている面の上に敷く場合、①②③はまるごと省けます。買うのは人工芝と固定材だけです。この記事は「土の上に敷く場合」を前提にしています。

工程と、そこで買うもの

不陸調整 ── 掘って、ならす

いまある地面を、人工芝の仕上がり面から逆算した高さまで下げる工程です。芝生や雑草が生えているなら根ごとすき取り、石やガラを拾い、掘り返した土を平らにならします。ここで出た土は、けっこうな量になります。

「どこまで掘るか」は、上に載せるもの(砕石の厚み+人工芝の厚み)の合計から決まります。周囲のコンクリートや玄関のタイルと面をそろえたいなら、その高さから引き算していくことになります。掘る深さを決めるのが、この工程の実質的な作業です。

この工程で必要になるもの
  • 掘った土の処分先(袋、または引き取り先の確保)
  • くぼみを埋める、または全体を底上げするための山砂・真砂土
  • スコップ、レーキ、一輪車

埋め戻しや底上げに使う砂の量は、面積 × 厚みの体積計算です。袋で買う場合は「1袋あたり何リットル入りか」で割ることになります。

転圧 ── 締め固めて、勾配をつける

ならしただけの地面は、ふかふかです。そのまま人工芝を敷くと、歩いたところから沈んでいき、数か月後には足跡の形にくぼみます。これを防ぐのが転圧です。砕石を撒いて、上から叩いて締め固めます。

砕石を使うのは、粒の大きさがそろっていない材料(砕石は角ばった石と細かい粉が混ざっています)のほうが、締まって動かなくなるからです。丸い砂利は締まりません。「見た目に敷く砂利」と「下地を締めるための砕石」は別物です。商品名としては「砕石」「クラッシャーラン」「C-40」といった呼び方で並んでいます。

そして、この段階で水が流れる向きに、わずかな傾きをつけます。建物から離れる方向、あるいは排水口や側溝に向かって、少しずつ下がっていく形にします。水平にしてしまうと水が抜けません。傾きは目視ではまず分からないので、糸を張るか水平器を当てて確認する作業になります。

この工程で必要になるもの
  • 砕石(面積 × 厚みぶん)
  • 転圧するための道具(タンパー、または転圧ローラー。レンタルという選択肢もあります)
  • 水平を見る道具(水平器、水糸、杭)

砕石は重量物です。袋で買うと運搬と保管の負担が大きく、まとまった量ならホームセンターの軽トラ貸し出しや、資材店の配達を使うほうが現実的なことがあります。まず必要量を把握してから、どの買い方にするか決めてください。

防草シート ── 下から生えてくるものを止める

人工芝の水抜き穴は、水を通すぶん、光も少し通します。人工芝を敷いただけでは雑草は止まりません。スギナやチガヤのように、細く硬い芽を伸ばすものは、人工芝の穴から顔を出してきます。下から突き上げられた人工芝は、その部分だけ浮きます。

これを止めるのが防草シートで、人工芝の直下、砕石の上に敷きます。買うときに見るのは面積だけではありません。シートは端どうしを重ねて敷くので、重ね代のぶんだけ実面積より多く要ります。また、風でめくれないように固定ピンで留めるため、ピンの本数も別に数える必要があります。ピンは外周と重ね部分に集中して打つので、面積に比例するというより「周長と継ぎ目の長さ」で決まります。

この工程で必要になるもの
  • 防草シート(実面積+重ね代)
  • 固定ピン(U字ピン)とワッシャー
  • ピンを打つハンマー、シートを切るハサミまたはカッター

シートには織布・不織布などの種類があり、耐用年数や遮光の度合いが違います。人工芝の下は一度敷いたら簡単には交換できない場所なので、寿命の短いものを選ぶと、人工芝より先にシートが力尽きることになります。商品ページの耐用年数の表記を確認してから選んでください。

人工芝 ── 面積ではなく「ロール何本」で買う

ここでようやく人工芝です。注意点は、人工芝は決まった幅のロールでしか売っていないこと。「28.5㎡必要だから30㎡ぶん」という買い方では、幅が合わずに足りなくなることがあります。幅で割って列数を出し、その帯をロールの長さから何本取れるか詰め合わせて、初めて「何本」という数になります。

もう1つ、人工芝の毛は長さ方向に少し寝ています。この向きがそろっていないと、同じ製品でも色が違って見えます。端材を180度回して使い回すことができないということで、これがロール数に効いてきます。

この工程で必要になるもの
  • 人工芝ロール(必要本数)
  • よく切れるカッターと替刃(人工芝の裏地は刃が鈍りやすく、1枚では足りません)
  • 直線を出すための長い定規、または板

固定・仕上げ ── 継ぎ目と外周を押さえる

敷いただけの人工芝は、風でめくれます。とくに外周が浮くと、そこから風が入って全体があおられます。外周と継ぎ目に固定ピンを打ち、継ぎ目はテープで繋ぐのが基本の形です。

ここで必要な材料の量は、面積ではなく「長さ」で決まります。継ぎ目が何mあるか、外周が何mあるか。人工芝の計算ツールが継ぎ目の合計長さを出しているのは、この見積もりに使うためです。ロールの列数が増えるほど継ぎ目は増えます。

この工程で必要になるもの
  • ジョイントテープ — 継ぎ目の合計長さ以上を用意します。片面テープを下に敷いて接着するタイプと、両面テープで貼るタイプがあります
  • 固定ピン(U字ピン・釘) — 外周と継ぎ目に打ちます。下地が硬いと曲がるので、予備を含めて多めに見ておくと途中で止まりません
  • 目地砂(珪砂) — 使う場合のみ。毛の間に撒いて毛を立たせ、重さで人工芝を落ち着かせる目的です。厚み数mmを面積にかけた体積で見積もります。使わない仕様の製品も多いので、商品ページの推奨に従ってください

目地砂を使うなら、量は「面積 × 撒く厚み」の体積計算です。袋数への換算は砕石と同じ考え方で出せます。

買い物リストを組む順番

上の工程を、実際に注文する順に組み替えると次のようになります。

決める順番決めることこれが決まらないと出ない数量
1敷く範囲の寸法(現物をメジャーで採寸)すべての数量の出発点
2仕上がり面の高さ(周囲と面をそろえるか)掘る深さ、砕石の厚み
3砕石の厚み砕石の量、掘る土の量
4人工芝のロール規格と、敷く向きロール本数、継ぎ目の長さ、端材
5継ぎ目の長さと外周の長さジョイントテープの長さ、固定ピンの本数

4の「敷く向き」を先に決めておかないと、5が出せません。向きを変えるとロールの列数が変わり、継ぎ目の本数も変わるからです。人工芝の計算ツールで向きを比較してから、テープとピンの量に進んでください。

見落としやすいもの

この規模をどう受け止めるか

ここまで読んで「思ったより工程が多い」と感じたなら、それが正しい感覚です。人工芝を敷くという作業は、人工芝を買う話ではなく、庭の地面を作り直す話だからです。逆に、コンクリートやベランダの上に敷くなら、この記事の①②③は消えて、④⑤だけになります。同じ「人工芝を敷く」でも、手間の量はまるで違います。

自分の現場がどちら寄りなのか、そして下地からやる場合に何が必要になるのか。判断材料を並べた記事を別に用意しています。

ご利用にあたって 本記事は、人工芝を敷く際に必要となる材料を整理した一般的な情報であり、施工方法を指示するものではありません。 実際に必要な材料・数量・工程は、現場の地面の状態、既存の排水設備、選んだ製品によって変わります。 製品の仕様は商品ページで確認し、敷く場所はご自身でメジャー採寸したうえで、余裕を持った数量でご注文ください。 本サイトは、本記事および本サイトの利用によって生じたいかなる損害についても責任を負いません。