防草シートは何m必要か(固定ピンの本数まで)
敷く場所の寸法を入れると、必要面積[㎡]と必要なロール数[本]、そして固定ピンの必要本数[本]がその場で出ます。継ぎ目の重ね代(ラップ)を見込んで計算するので、「面積ぶん買ったのに足りなかった」が起きません。
なぜ「面積 ÷ シートの面積」では足りないのか
防草シートは10㎡のロールで売っていますが、10㎡の庭に10㎡のシートを買っても足りません。理由は2つあります。
- 幅で割ると必ず余りが出る — 幅3.2mの場所に幅1mのシートを敷くなら、3列では20cm足りないので4列必要です。4列目はほとんど捨てることになります。
- 継ぎ目で重ねるぶんが消える — 隣り合う列は突き合わせではなく、10cm前後重ねます。重ねた分の面積は、地面を覆う面積としては数えられません。
このツールは、この2つを両方見込んだうえでロール本数を出しています。
重ね代10cm・幅1mのシートなら、2列目から先は1列あたり90cmしか進みません。幅4mの場所なら (4-0.1)÷0.9=4.33 → 5列です。重ね代を無視して4列で計算すると、最後に40cmの隙間が残ります。
切り代と採寸誤差のぶんを長めに取ります。1列がロールの長さを超える場合は途中で継ぐことになるので、そこにも重ね代を足しています。
端材には「幅方向の切り落とし」「長さ方向の余り」「重ね代」「ロス率の余裕」がすべて含まれます。無駄率が40%を超えるようなら、シートの幅を変えると劇的に減ることがあります。幅1mと幅2mを切り替えて比べてみてください。
重ね代(ラップ)を取らないと、継ぎ目から生えてくる
防草シートで雑草が出てくる場所は、だいたい決まっています。継ぎ目・端・ピンの穴の3つです。シートの真ん中を突き破ってくる雑草は多くありません。
継ぎ目を突き合わせ(重ねずに端と端をぴったり合わせる)にすると、そこは実質的に「地面がむき出しの一本の線」になります。しかも、シートは日射と温度でわずかに伸び縮みし、風であおられ、上に砂利や人工芝を載せればさらに動きます。施工直後はぴったりでも、数か月後には隙間が開いていることが起こります。
だから10cm前後を重ねます。重ねた部分は上下2枚になるので、光がまず通りません。重ねる幅をどれだけ取るかは、商品の説明書きに従ってください。このツールの初期値は10cmですが、入力欄で変更できます。
なお、重ね代を大きくすると必要な列数が増え、ロール数が増えることがあります。上の入力欄で 10cm と 20cm を切り替えると、その差がそのまま金額の差として見えます。
固定ピンは、外周だけ間隔を詰める
ピンの本数は、シートの面積からは決まりません。どこに打つかで決まります。このツールは3か所に分けて数えています。
- 外周 — めくれの起点はほぼ100%ここです。風はシートの端から入り込んで持ち上げます。だから外周だけは間隔を詰めます。初期値は50cmにしていますが、風の当たる場所や、上に何も載せずシートを露出させる場合は25〜30cm程度まで詰めることがあります。
- 継ぎ目(重ね部) — 重ねた2枚を一緒に串刺しにして留めます。ここが浮くと、重ねた意味がなくなります。
- 面内 — 真ん中は、シートが風で波打たない程度に押さえます。外周ほど詰める必要はありません。
面内は格子状に打つ前提で数えているため、継ぎ目の線と重なる点をあらためて数えている場合があります。結果は少し多めに出ます。ピンは1本あたりの単価が安く、足りないと作業が止まる部材なので、多めに出る側に倒してあります。
不織布と織布、どちらを買うか
防草シートは大きく2種類あり、値段が数倍違います。何年もつかは製品と使い方に依存するので断定はしませんが、構造の違いから言えることだけ整理します。
| 織布(クロス) | 不織布 | |
|---|---|---|
| 作り | テープ状の糸を織って作る | 繊維を絡めてフェルト状にする |
| 見た目 | 織り目が見える | 目のない布状 |
| 厚み | 薄いものが多い | 厚いものが多い |
| 切ったとき | 端がほつれやすい | ほつれにくい |
| 構造上の弱点 | 織り目に隙間があり、細い芽が通ることがある | 厚みのぶん重く、価格が上がる |
ポイントは「織り目」があるかどうかです。織布は糸と糸のあいだに規則的な隙間があります。スギナやチガヤのように、先端が針のように硬く細い雑草は、この隙間を通り抜けることがあります。不織布は繊維がランダムに絡んでいるので、通り抜ける直線的な経路がありません。
また、切り口のほつれは施工のしやすさに直結します。織布は切った端からテープ状の糸がほどけていくので、端の始末が必要になります。細かく切り欠く場所(花壇のふち、フェンスの支柱まわり、水栓の根元)が多い庭ほど、不織布のほうが作業が楽です。
どちらを選ぶにせよ、上に砂利や人工芝を載せるなら、やり直しのコストが跳ね上がります。シートを替えるには、上に載せたものを全部どけることになるからです。露出させて使う場所(家の裏、通路の脇)は安いもので試し、上に何か載せる場所は厚いものを選ぶ、という使い分けが現実的です。
上に砂利や人工芝を載せる場合の注意
砂利の下に敷く場合
砂利の重みでシートは動きにくくなりますが、敷いたあとにピンを追加することはできません。砂利をどけない限り手が届かないからです。ピンは砂利を入れる前に打ち切ってください。
もうひとつ、砂利が薄いと、シートが日に当たって劣化します。防草シートの多くは紫外線で劣化します。砂利が動いてシートが露出した箇所から、部分的に傷んでいきます。砂利の厚みは、防草シートの寿命にも効いてきます。→ 砂利・砕石は何袋必要か で必要量を計算できます。
人工芝の下に敷く場合
人工芝には水抜き穴が開いています。この穴から光が入り、雑草が伸びてきます。人工芝を敷くなら防草シートはほぼ必須と考えてください。あとから「やっぱり敷けばよかった」と思っても、人工芝を全部剥がす作業になります。
防草シートは人工芝より少し広めに敷いておくと、端から雑草が回り込みにくくなります。人工芝側の必要量は → 人工芝は何ロール必要か で計算できます。
よくあるつまずき
「面積ぶん買ったのに足りなかった」
重ね代を見ていないケースがほとんどです。幅1mのシートは、2列目以降は90cmしか進みません。10列敷けば1m足りなくなります。上の計算はこれを織り込んでいます。
「シートの端から生えてくる」
雑草はシートの外側から、境界に沿って伸びてきます。建物の基礎ぎわ、フェンスの足元、花壇のふち。ここは面積としては小さいのに、切り欠きが多くてロスが集中する場所でもあります。切り欠きの多い庭では、ロス率を15〜20%まで上げておくと現実に近くなります。
「ピンが足りずに作業が止まった」
ピンは1本単位では安いのに、足りないとその日の作業が終わりません。ホームセンターに買い足しに行くあいだ、広げたシートは風にあおられます。ピンだけは多めに買っておくのが結論です。余っても人工芝や次の場所で使えます。