ウッドデッキの材質の選び方

ウッドデッキの材料選びに、どれが優れているという答えはありません。どの性質を優先し、どの性質を諦めるかで決まります。腐らない材料は夏に熱くなり、長持ちする材料は加工しにくく、加工しやすい材料は手入れが要る。この記事では、その交換条件を並べます。

比べる前に、使い方を1つ決めておくと早いです 「裸足で歩くか」「10年後も塗り続けられるか」「自分で刻むか」。この3つのどれを外せないかが決まると、選択肢は自然に絞れます。逆に、性質を全部並べてから選ぼうとすると、比べる軸が多すぎて決まりません。

大きく3分類で考える

デッキ材の種類は数多くありますが、性質のふるまいで見ると3つに分かれます。この3分類の違いは、同じ分類の中の製品差よりずっと大きいので、まずここを決めます。

分類正体代表的な材
ソフトウッド針葉樹の木材。柔らかく軽いスギ、ヒノキ、マツ類、防腐処理を施した木材
ハードウッド広葉樹の木材。硬く重く、密度が高い南洋材・中南米材などの高密度材
人工木(樹脂木)木粉と樹脂を混ぜて成形した材料。木ではない中空タイプ/中実タイプの成形材

人工木は「木」と名前がついていますが、木材ではなく成形品です。木粉が入っているので木のような見た目になりますが、ふるまいは樹脂に近くなります。この点が、後述する熱と伸縮の話につながります。

性質を並べる

ここは早見表です。それぞれの中身は、このあとの節で分けて説明します。

見る点ソフトウッドハードウッド人工木
腐る・虫害受けやすい。防腐処理と塗装で抑える受けにくい。密度そのものが抵抗になる腐らない。虫も食わない
手入れの頻度定期的な塗装が前提塗装しなくても持つ。色を保ちたいなら塗る基本は清掃のみ
夏の表面温度上がりにくいほう上がるが、木のふるまい上がりやすい
質感の変化反り・割れ・ささくれが出る色が退色し、灰色へ寄っていく変化は少ないが、傷は目立つと残る
重さ軽い。1人で扱える寸法が多い重い。水に沈む密度の材もある種類による。中実タイプは重い
加工のしやすさ切る・留めるが楽下穴なしではビスが入らない切れるが、切り口の処理が要る
見た目木そのもの。塗装で色を変えられる木そのもの。木目が濃く重厚均一。近くで見ると質感が違う

ソフトウッド ── 扱いやすさと引き換えに、塗装が続く

ホームセンターで手に取れる木材の多くがこの分類です。のこぎりで切れて、ビスがそのまま入り、寸法直しがその場でできます。DIYで自作する場合、この加工のしやすさは大きな利点です。設計を途中で変えても対応できます。

代わりに引き受けるのが、手入れの継続です。屋外に置かれた木材は、紫外線と雨で表面から傷んでいきます。塗装は、その進行を遅らせるための膜です。膜は消耗するので、定期的に塗り直す前提で選ぶことになります。塗り直しの間隔は、日当たり、雨のかかり方、使った塗料の種類で変わります。

ここで正直に書いておきたいのは、塗装が続くかどうかは材料の問題ではなく、生活の問題だという点です。デッキの上の物をどけて、洗って、乾かして、塗る。この一連の作業を数年おきにできるかどうか。できるなら、ソフトウッドは扱いやすい選択肢です。難しいと感じるなら、ほかの分類を先に見たほうが後悔が少なくなります。

「防腐処理済み」は腐らないという意味ではありません 薬剤を注入した木材は、無処理の木材より腐りにくくなりますが、劣化しないわけではありません。切断すると処理の届いていない断面が出ることもあります。どの程度の処理がされているかは製品ごとに違うので、購入時の表示でご確認ください。

ハードウッド ── 長持ちするが、施工の難易度が上がる

密度が高く、水も虫も入り込みにくい木材です。無塗装のまま屋外で長く持つのが最大の特徴で、手入れの負担は小さくなります。放っておくと表面が灰色に退色していきますが、これは腐っているのではなく、日焼けに近い変化です。色味を保ちたい場合は塗りますが、それは劣化を止めるためではなく見た目のためです。

そのぶん、作る側の難易度は明確に上がります。硬いことは、そのまま加工の抵抗になります。

硬い材を扱うときに出てくること

電動工具が揃っていて、下穴を開ける手間を織り込めるなら、DIYで扱えないわけではありません。ただし「木だから同じように切って留められる」という前提では進みません。そこが分かっているかどうかで、作業計画の現実味が変わります。

人工木 ── 腐らない代わりに、夏に熱くなる

木粉と樹脂の成形品なので、腐りません。虫も食いません。ささくれも出ません。手入れは基本的に掃除だけで、塗り直しの予定を人生に組み込まなくて済みます。これは大きな利点です。

一方で、材料としての弱点があります。いちばん重要なのが表面温度です。

裸足で歩く前提なら、熱の話は外せません

樹脂を含む材料は、直射日光が当たると表面温度が上がります。天然木より熱くなりやすく、日なたに置かれた人工木のデッキは、夏場に裸足で歩けなくなることがあります。濃い色ほど上がりやすくなります。

この点が問題になるかどうかは、使い方で完全に分かれます。

設置場所に何時ごろ日が当たるかを、実際に見ておくと判断が早まります。図面ではなく、その場所に立って確かめられることです。

そのほか、人工木で見ておくこと

どれが良いかではなく、何を優先するか

最後に、優先したいことから逆に引く形で整理します。複数に当てはまるなら、いちばん譲れないものを1つ選んでください。それが選択の軸になります。

優先すること向かいやすい分類受け入れることになる点
手入れをしたくない人工木夏の表面温度と、質感が木ではないこと
裸足で歩きたい天然木(日陰なら人工木も可)木は手入れが要る。ささくれの管理も含みます
できるだけ長く持たせたいハードウッド/人工木施工の難度、または質感
自分で作りたい・工具は最小限ソフトウッド定期的な塗装が続きます
木の質感を大事にしたいハードウッド/ソフトウッド退色や割れなど、経年変化を受け入れること
1人で運んで組みたいソフトウッド/中空の人工木耐久性や質感で譲る部分が出ます
将来つくり直す前提で気軽に始めたいソフトウッド寿命は短めになります

分類が決まったら、次は寸法です。床板の枚数、根太の本数、束の数は、デッキの大きさと板の向きで変わります。数が出ると、重さも作業量も具体的になります。ハードウッドなら下穴の数、人工木なら継ぎ目のすきまも、枚数が分かってはじめて見当がつきます。

迷いが残るときは、比べる材料を増やす

材質を決めたつもりでも、設置場所の条件で話が変わることがあります。基礎をどう取るか、地面が土か土間か、水がどう流れるか。デッキは地面の上に載る構造物なので、下の状態から切り離して考えられません。

複数の業者に相談すると、同じ庭に対して違う工法が出てきます。基礎の取り方、床板の向き、使う材料の分類そのものが違うこともあります。そこで初めて、何が現場の条件で決まっていて、何が好みで決められる部分なのかが見えてきます。比べたうえで自分で作ると決めるなら、それは材料を持ったうえでの判断です。

ご利用にあたって 本記事は、ウッドデッキの材質を検討する際の一般的な判断材料をまとめたものであり、施工方法を指示するものではありません。 材料の性質は同じ分類の中でも製品によって差があり、耐久性や手入れの間隔は設置場所の日当たり、雨のかかり方、使い方によって変わります。 製品ごとの仕様・施工要領・保証条件は、商品ページや取扱説明書でご確認ください。 建物への固定を伴う場合や、規模によっては建築に関する手続きが関わることがあります。判断がつかない場合は専門家にご相談ください。 本サイトは、本記事および本サイトの利用によって生じたいかなる損害についても責任を負いません。